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Koba atsu

Author:Koba atsu
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“Column: How to study Strong Opening”

今回のコラムは強いオープニングの調べかたです.
本来は明後日更新予定のItalian Volume1にくっつける予定でしたが、メイン記事の2.5倍の長さにもなってしまったため普通の記事としてアップすることにしました。まあよく日本人はオープニングの勉強しすぎとよく言われます、確かに時間のかけ方という観点では少し偏りがあるかもしれません。
しかし現日本No.1の実力を誇る小島さんがここまでの活躍を見せるのもオープニングの基本をしっかり抑えミドルゲームへと繋げる考え方、概念をしっかり身に着けていたからだと思います。
ここでは普段私の行っているオープニング勉強法を紹介します、この勉強法は主に定跡の手や形を覚えることよりも、手の意味、概念を理解しミドルゲームに繋げていくことを主眼としています。
ただ先に言っておきますがこれはあくまで私にあったやり方であり、皆さんそれぞれにそうやり方であるかは保証いたしかねます。

~用意するもの~
1.スマホ→アプリ“ChessBase”
2.パソコン→ソフト“ChessBase” インストール“FritzやStockfish”
スマホのChessBaseは700~1000円?ほどで買えると思います。更新も勝手にしてくれて新しい棋譜が手に入りますし、絶対値段分の価値ありです!
パソコンのChessBaseは買うと高いので知り合いにChessBaseを持ってる人に聞いてください。
Fritzは解析兼対戦ソフト兼オープニングブック付きですが、解析だけでしたらStockfishが無料版でも世界トップの強さなのでこちらもおすすめです。(下のリンクからダウンロードできます)
http://stockfishchess.org/
3.本を読んだり、詳しい人に教えてもらう
あとは調べる定跡に関する本などがあればなおよしですが、こちらは必須ではありませんし、自分で考えるという観点からも時間のある人は最初のうちは自分で模索してみるのがいいかと思います。
人にアイディア教えてもらうのは当然いいことです(まあそれができりゃ楽ですが、そういった機会と時間が作れないだろうからということで、こういった感じでブログ書いてるわけですが)。

~調べ方~
定跡で自分にあった形を目標に探したいのはやまやまですが、まあそんなのを一から探すのは森の中地図なしでゴール目指せと言われているようなものなので、ここではゴールへとたどり着くために過去の記譜のデータを基に取られた統計などを用いて強い人がよく指す手を参考に自分の形を作ります。
具体的にどういうことかというと下の例を見てもらうのがいいでしょう
例1
Q.白番、この局面であなたは何を指しますか?
fgifffufgofsufg.png

この局面はNimzo/Queen’s Indian Hybridとよばれるような形です。
白としては展開していないピースはf1のビショップだけです。
ではe3がベストでしょうか?
ここでスマホのChessBaseを開きましょう、この局面を並べた状態でSearch Openingを開くと確かにe3が一番多く指されています。
しかし!ここでAverage Elo(平均レート)を見てみましょう(設定から見れるようにできます)。
  ---回数 ---  勝率---平均レート
e3 --- 2476 --- 51%--- 2265
Nd2--- 717 --- 58% --- 2442
Qc2--- 560 --- 51% --- 2177
まあこれだけ見てもなんか面白そうなことになっていますね。
ではNd2のなにがいいのでしょうか?
まあ狙いこのあとの手を並べればすぐわかりますが、ちょうど本(Nimzo-Indian Kasparov variation)があるので折角ですしその説明を見てみると「白はe3を入れずにe4をすぐ突け(センターの支配)、一手分得できそのテンポ分によって後々黒は困ったことになる」
この本にはe3に関しては記譜すら載ってない感じで、確かに指された回数だけではe3のほうが多いかもしれませんが、トレンドはもうNd2にあるということがわかります。
私のd4オープニングは基本この、強い人(目安Average Elo 2300)がよく指す形を調べることで成り立っていて、指されている局数は少し少ないけど、指している人のレート平均は2300以上というものが多いです。
この調べ方の利点として強い人の考える手には色んなチェスの奥深さが含まれていてそれを理解しようするだけでも勉強になりますし、またメインから外れているけど凶悪なアイディアを含む手が多々あるので、中級レベルの相手なら相手が見慣れていないこともありそれだけで潰すことができます!
実際1.d4の試合だけならレート変動はかなりのプラスです(それなのにレートが上がってない自分が不甲斐なさすぎる…)

また例の2つ目として、ChessBaseに保存してある、強い人の記譜を見ることもとても勉強になります。
以下は私が小島さん用に用意しようとして、結果的に採用しなかったカロカンアドバンスの変化です。
1.e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nd2!?
これも指された数的にはこの局面では9番目とかですが、指している人の平均レートは2326と他の手と比べ約200高くなっています!(Search Gamesから対局者のレートをお互い2400以上として検索すると指された数は4番目まで上がります)
4... e6 5. Nb3!
狙いとしてはc5のマスを押さえつけることで、スペースの狭い黒はピースの展開に苦しみます。
5... Nd7 6. Nf3 ここがキーポイントでした。
hfoefffirgwo.png

ここで黒が6...c5とスペースを広げようとして指すと、7.xc5 Bxc5 8.Nxc5 Nxc5 9.Bb5+! このチェックで黒がNd7と引くしかないようなら白十分だと思い、また一番多く指されているのは6...Ne7ですがこれではスペースの狭さを黒は改善出来ずそれは2番目に多く指されている6...h6にも言え、これではスペースの広い白が有利でした。
見つけた時はじゃあこれ使えばカロカンプレイヤー駆逐出来んじゃね?と思いあがっていました…
しかしここで小島さんのゲームを検索してみると現実はそう簡単じゃないことを知りました。
6...a6!
c5をすぐ突くとBb5+でナイトを引かなくてはいけなかったのを、b5のマスを埋めることで、黒はこの後問題なくc5を突くことができスペースの問題を改善することができます。
小島さんのゲームはこの後以下のように進み黒は十分なポジションを得ました。
7. Be3 Rc8 8.Be2 c5! 9.dxc5 Bxc5! (Nxc5? 10.Nbd4!) 10.Nxc5 Nxc5 11.Nd4 Ne7 12.0-0 0-0=
この時点ですでにイコールで白は決して成功したとは言えないでしょう。
まあこれ以外にも白の手は色々考えられますが私の中では6...a6!とされると白は満足する形が作れないと思っています。
今回は意図的にこのラインを調べたわけではなく、preparationの最中に偶然見つけたわけですが、これも小島さんのようなお手本となるプレイヤーの試合を調べた産物といえるでしょう。(まあ小島さんには他のをすでに用意してありますw)
このように強い方の試合を見るのは色々と参考になります。
例3個目、ここらでItalian Volume1より長く書いてることに気付く…
これは上級者向けですがトランスポーズを使おう!ってやつです。(トランスポーズの重要性に関してはFMの上杉さんのブログにて詳しく書いてあります!)

いやこのままだとパソコン使ってなくねっていう人がいると思うのでね、まあ実際は上のようなこと調べている間に、パソコンのChessBase開いて局面をStockfishとかで解析かけたり気に入ったやつはNew Opening Ideaとして記譜を保存するなど陰ながら大活躍してます!(てか本来PCのChessBaseは記譜の解析と保存が便利というのが一番の魅力です)
けどここではスマホ版と一味違うPC版のChessBaseの特徴について触れます。
ChessBase(私が持ってるやつは11)にはスマホのSearch OpeningやFritzのオープニングブックと似たような機能ですが、Referenceという機能があります。それぞれの特徴をまとめてみました。
スマホ:Search Opening 
利点
・世界中で指されているゲームがすぐに自動で更新される。
・莫大なゲームを収録。
・平均レート≧勝率>指された数で局面を見ると新しいアイディアが色々とでてくる。
・Search Gamesからレートを指定して強い人の試合を調べたり、相手の名前を入れてpreparationできる。(Kojimaとかですねw)
・ポケットサイズなので電車とかでも使用可能
欠点
・メインサーバとの通信が毎回必要なので電波の悪いところで使えない、いやそこ以外欠点ないんじゃねというくらいの完璧さ
ってことでみなさん買いましょう(笑)
トランスポーズに関しての特徴
・調べたい手自体が指された数ではなく、指した後の局面の数が指された数として表示されるため他の定跡とかと気付かないうちにトランスポーズしてしまうことがある。(よくわからない日本語になっていますがあとの例で分かるように説明します)

Fritz:Opening Book
利点
・2500以上の強い人の記譜のみが収録
・動作が軽い
欠点
・強い人のしか載ってないせいで逆に勝率・平均レートがあまりあてにならず、指された数しか指標として使えない
・更新がなく、指されているゲームの数が限定的(例えばカロカンのa6はたったの7試合)
・上記2つのこともあり、オープニングの勉強には不向き(試合で指した手が合っていたかの確認には便利)
トランスポーズに関しての特徴
スマホと同じ

ChessBase:Reference
利点
・コメント付きの試合が見れるらしい(どうすれば見れるのか、いまだわかっていない涙)
・勝率があてになる(平均レートが書かれていないのが傷)
・その局面の記譜の検索がすでにされているので、すぐに試合を見れる。

欠点
・上記二つより少し重い
・平均レートが書かれていない
トランスポーズに関しての特徴
指されたあとの局面の数ではなく、純粋にその局面でその調べたい手が指された数だけが指された数として表示されるため、指された数が急に増えるなどした場合はそこでほかの定跡と合流したことがわかりやすくトランスポーズを意識しやすい。
例4(この時点でメインとする予定だったItalianの記事の2倍書いている模様w)
1. d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nc3 Bb4 4.Nf3
ihrgegilthb.png

この局面は先ほど紹介した、Nimzo-Kasparov variationです。
上の局面で黒4手目のそれぞれのソフトのデータを見てみましょう
--- スマホ --- Fritz --- ChessBase
1. d5:13713 -- d5:1451 -- c5: 2545
2. b6: 9323 -- b6: 913 -- b6: 1959
3. c5: 4458 -- c5: 564 -- 0-0: 1084
なんとスマホとFritzしか見ていないとd5かb6がよく指されるのかな~と見えるわけですが、実はこの局面で一番指されているのはc5なのです!
実はd5はQGDとb6はQueen’s Indianとトランスポーズしているわけです。
つまりどういうことかというと
d5の局面には1.d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nf3 d5 4.Nc3 Bb4 の手順で。
b6の局面には1.d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nf3 b6 4.Nc3 Bb4 の手順でたどり着くほうが多く、実際上の局面ではc5のほうがよく指され実際この手は白としてはとても面倒でした。
そこで私は白で指すとき1.d4 Nf6 2.c4 e6の局面でNf3と指すことで、b6と指されたらNc3と指すNimzo/Queen’s Indian Hybridをd5ならNc3でQGDにもっていくことで面倒なc5を指されないようにすることができるのです!
小さいことに見えるかもしれませんが、私はこのような些細なことに全力を尽くしてこそしっかりとした実力がついてくるのかなと思っています。

追記:スマホ版ChessBaseの便利な機能としてCreate book機能が挙げられます。
どういう機能かというとまずSearch Gamesに調べたい条件、レート・相手の名前・ポジションを入れます。
例としてここではKobayashiが何を指してくるか調べてみましょう。まずKobayashiをとFree Text欄に入れて検索してみましょう、するとまず私の試合が49Game見つかります。
白番での手を知りたい場合はKobayashiが白番の試合を長押しし、Filter Whiteを選びます。するとKobayashiが白で指している試合が24試合見つかります、そこでメニューボタンを押しCreate bookを選ぶとKobayashiの白番の手がオープニングブック形式で以下のように出てきます。
1.e4 21 57% 2013
1.g3 2 100% 2013
1.d4 1 100% 2007
このように見るとKobayashiはe4プレイヤーなんだなーとわかります(去年夏以降d4プレイヤーになったので実際は違いますがw)
まあけど相手の指す定跡の傾向などはわかりますし、定跡途中でミスしている点があればそこを突くこともできます。(実際小島さんが6...a6!を指さないようならNd2を重要な試合で使っていたでしょう)
このようにCreate book機能は様々なところで使えると思うのでぜひ活用してください!

今回は短いコラムの予定であったのがだいぶ長くなってしまいましたがまあそれなりに重要なことが書けたのではと思います。
明後日メイン記事となるItalian Volume1をアップしますので楽しみにしていてください!(まあもうすでに記事自体は出来上がっているのですが毎週土曜日の更新を習慣化したいので後程更新します)
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