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Koba atsu

Author:Koba atsu
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Italian Volume2”d3型Italianのすすめ”

こんばんは、連載企画のItalian Volume2です。
今回はItalianがQuiet Game(静かなるゲーム)と呼ばれる理由について、Ruyとの比較などもしながら、Italianの理解をより深めていきたいと思います。

一般にe4オープニングはd4オープニングと比べ激しい形になりやすいと言われます。
これはe4オープニングではd4のマスをd1のクイーンとf3のナイト、c3のポーンでサポートすることができるため、d4オープニングと比べセンターを突きやすいのですが、それによって生じる相手のセンターポーンとの衝突が戦闘につながるため、結果的に激しいゲームになりやすいわけです。

しかし前回私が勧めた形は相手のNf6に対してd3と突くものでした、これこそがQuiet Gameへの第一歩なのですが、まずd3の利点を考える前に他の手の可能性を考えましょう。

uwgffuorge.png

上図の局面で黒の手としては3...Nf6とBc5が考えられます。(他の手では4.d4と突くことで白の形がいいフィリンドール型となります)
まず3…Nf6について考えましょう。
これに対し白の手としてはe4のポーンをサポートする必要があるため4.d3 or Ng5 or Nc3が考えられますが、
まず4.Nc3はc3を突けずセンターの支配をサポートできないだけでなく…
4.Nc3? Nxe4! 5.Nxe4 d5! これで黒は白のセンターポーンをかすめ取ることでe5にポーン残している黒がセンターの支配を主張でき十分です。
これは後々詳しく書きますがItalianとRuyの違いの1つで、ビショップの位置がc4にあるItalianではビショップに当てながらセンターを崩してくるd5の突きをいつも警戒する必要があります。

次に4.Ng5⁉ですがこちらは見た感じからも察せるようにファンシーな手なのですが、この後メインでは4…d5 5.xd5 Na5! 6.Bb5 c6 7.xc6 xc6 8.Be2 h6 9.Nf3 e4 といった感じに黒はワンポーンをギャンビットしながら展開で攻めようとしてきます。
まあ上のはほんの一例にすぎず。このような形は色んな手の可能性が考えられるせいで、ミドルゲームでのカルキュレーションが得意な私からしても複雑でまた黒がギャンビットしている分、間違えるとすぐに黒が主導権を握ることがあるためお勧めしません。

そして4.d3なら黒は4…Bc5 or Be7が考えられますが、Bc5には5.c3で私の勧めるメインラインにトランスポーズし、Be7ならHungarian Defenceという定跡に変化します。
(Hungarianについては後のVolumeで取り上げますが、Bc4の利点として黒の対処法がBc5と出すItalianとBe7のHungarianの2通りしかまともになるやつがないため、白側の覚える量が他の定跡と比べ格段に少なく指しやすいことが挙げられます)

話し戻って3…Bc5を考えましょう、

ここで白としてはe4のポーンを守る必要がなくキングもまだ安全なため0-0の必要性もないので、4.c3としてd4を狙うのが筋ですが他の手も見てみましょう。
4.b4!? Evans Gambit
黒としては様々な対処がありますが面白いのとして、
4…Bxb4 5.c3 Be7 (Ba5 is more popular) 6.d4 Na5 7.Nxe5 Nxc4 8.Nxc4 d5! 9.xd5 Qxd5 Ne3

ihvpirh.png

この局面に見覚えがあるかたもいらっしゃるかもしれませんが、一昨年フランス女子チャンピオンでIMのSkripchenkoさんとの同時対局にてこれと同じ局面が3局も出てこの次の手でみなさんそれぞれ相談もしてないのにQd6・Qd7・Qd8と違う手を指すという稀なことがありました。
まあ正直上の局面だけでも白はe4のポーンとビショップを放棄し、そこまでいいとはいえないでしょう。
しかしながらNf6に対するNg5とEvans Gambitはともに複雑なミドルゲームにおける重要なエッセンスを含んでいるため、考えさせる教材としては最適だと思います。

それでは5.d4を狙う4.c3を見てみましょう
ここで黒は4…Nf6が最善とされています。

igohgog.png

Q.Nf6の手の狙いとして、1.ピースの展開と共にキャスリングを早め、キングを安全にするのと、2.浮いているe4のポーンを狙うこと以外にもう一つ重要な狙いがありますそれを考えてみて下さい。

実はこの答えこそ今回のメインテーマで少し上でも触れてあるのですが、
白のc4ビショップは不安定なため、Nf6 はそれを狙うd5のサポートになっていることで結果として白のd4をすぐに突けなくしているのです!
実際に手を見ていきどういうことか説明します。
4.c3 Nf6 5.d4!? xd4 6.xd4 (この時点ではセンターをとれているように見えますが・・・) Bb4
7.Bd2 (Nc3 Nxe4 8.0-0 Bxc3 9.d5 Ne5! (Bf6より楽なライン) 10.xc3 Nxc4 11.Qd4 0-0 (Ncd6?) 12.Qxe4 Nd6 黒十分)
…Bxd2 8.Nbxd2 d5! (このセンターブレイクのためのNf6です!) 9.xd5 Nxd5 この時点で白は若干のピースアクティビティを持ちますが、IQPを持つ形で好みが分かれるところかもしれませんが、私は黒十分だと思うので嫌いです。


ではここでd3のいいところを考える上で、上記の内容とも関係するのでItalianとRuyとの違いを考えてみましょう。
foubffubo.png

RuyとItalianを比較した際のRuy利点。
1:Ruyのビショップをb5に出してe5のポーンを守るNc6を攻撃する形にすることで、黒にa6 and b5と突かせ手数的にいい感じにビショップをc4より安全なb3にすぐ置くことができ、d4の突きをItalianのようにd3を挟まずにいれることができます。
2:b5まで突いたポーンを弱点としてa4などから攻めたりすることで、センターとキングサイドだけでなくクイーンサイドでも戦闘を仕掛けることができます。

特に盤全体でチャンスが作れるという点で世界ではItalianよりRuyが好まれるようです。しかし一方でItalian には
1:Ruyではクイーンサイドのポーンは弱点でもありながら攻めに使う武器としてa5 a4の突きや、Bb7のフィアンケットを組んでの反撃を作る形になりうり黒からの攻めが強いがItalian ではクイーンサイドが平坦でそちらで激しい戦闘は起きないため相手にカウンターを許さないプレイングができる
2:RuyではBc4とくらべキングサイドへの攻撃が遅いため、黒側の安全性が十分であり様々な定跡型を黒が選べてしまう。
一方Bc4型にはItalian とHungarianの2つしか存在しない!
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といった利点が挙げられます(しかもItalian・Hungarianのどちらも覚える必要のあることは非常に少ないです!)。

つまりd3型のItalian は黒の強いカウンターで白が潰れることはそうそうなく、また白もセンターをじっくりじっくり取りに行くので、このことがItalianをQuiet Gameと呼ぶ所以でしょう。
次回は本格的にQuiet Gameの中で重要になってくる自陣内でのピースの展開の仕方について書いていきます。

~まとめ~
1. Bc4型でd4を突いたりして、攻めようとしてもd5のカウンターが強くて微妙
2. よってd3と落ち着いた形からピースの展開(次巻参照)をしていき黒のカウンターを抑えるのが有効!
3. 色んな形を知っている必要があるRuyと違って、Bc4型はItalianとHungarianをマスターしさえすればよい!
4. またItalian・Hungarianともにマスターするのが簡単!

またVolume3は来週の15日夜に更新しますが、Volume4はカペル準備のため一週間休載し3月1日夜に更新します。
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